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江戸時代から続く伝統の舞『南須釜の念仏踊り』

玉川村東部の山間地、南須釜地区で江戸時代から受け継がれてきた『南須釜の念仏踊り』。12月26日(日)にたまかわ文化体育館アリーナにおいて披露される民俗芸能について、ご紹介します。

南須釜地区の伝承によると、江戸時代初期の慶安ごろ(1648~1651)、14~15歳までの男女が仏の供養をするために踊ったのが始まりとされています。

現在の踊りは、一時途絶えていたものを昭和27年(1952)に大野ケサさん(故人)が踊られた記憶をもとに再興したものです。ケサさんは明治14年(1881)に生まれ、12歳の時から踊りに参加したといいます。現在は「南須釜念仏踊り保存会」によって継承され、昭和50年(1975)には県の重要無形文化財に、昭和53年(1978)には文化庁の選択無形民俗文化財(※)に、平成16年(2007)には福島遺産百選に認定されています。

南須釜の念仏踊り01

始まった当時は男女が共に踊っていた念仏踊りですが、現在は玉川村内の12歳までの少女たちによって踊られています。

踊り子の衣装は、春は振袖、夏は浴衣姿で、着物の裾を膝までたくしあげて帯に挟み、その下から鮮やかな赤い蹴出しと脚絆をのぞかせます。そして、たすきがけをして手甲、白足袋と草履をはき、花や切り紙で彩られた綺麗な妻折笠をかぶり、手には白扇子と綾竹を持ち、踊りにあわせて使い分けます。

南須釜の念仏踊り02

保存会に伝わる曲目は、「小夜の中山」「ねずみ」「小かじ」「どたら」「さんちょい」「おみよ」「松川」「西方へ」「下妻」の9曲で、歌の一句ごとに「ナムアミダー ハーヨーブッサー ナムアミダーサー」の囃子ことばが入ります。またひとつの踊りの終りに「回向成仏 南無阿弥陀仏」と唱え、保存会の方々が奏でる笛や鉦、歌に合わせて「立踊り」と「座踊り」を奉納します。

全曲、踊り終わるのに約25分。全員が揃って踊るには日々の練習が欠かせず、保存会では月に1回、地区の集会所を利用して合同練習を行っています。踊りを指導するのはかつての踊り子や地域の人たち。まだあどけなさが残る子供たちに全9曲の振り付けを手取り足取り教え、一人前の踊り子として育てています。

念仏踊りは毎年4月3日の大寺薬師祭と、お盆の8月14日に東福寺境内で奉納されていますが、令和2年以降、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため一般公開を中止しています。

今回「南須釜念仏踊り保存会」では、少女たちが身にまとう衣装などを新調したことから、12月26日(日)午後2時からたまかわ文化体育館アリーナにおいて、お披露目会を開催することとなりました。久しぶりの一般公開になりますので、少女たちの練習や地域の人たちの指導にも一層熱が入ります。

地域の人々によって代々受け継がれている『南須釜の念仏踊り』 ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。

南須釜の念仏踊り03
南須釜の念仏踊り04

※選択無形民俗文化財とは 文化庁長官が選択する「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」の通称。重要無形文化財には指定されていないが、芸能・工芸技術などの記録や公開が必要であるとして、国が記録を作成したり、助成を行ったりするもの。(出典:デジタル大辞泉/小学館)

[イベント詳細]
日時 令和3年12月26日(日)午後2時から
場所 たまかわ文化体育館アリーナ(玉川村大字小高字大谷地71)

[お問合せ先]
南須釜念仏踊り保存会 代表:小原安春会長 Tel.0247-57-3203

玉川村の観光地紹介 南須釜の念仏踊り
http://tamakawa-kanko.jp/watch/01.html