
亡くなった親族の御霊を供養するために踊られる念仏踊り。
ここ玉川村の念仏踊りは、まだあどけなさの残る少女たちによって踊られ、見るものを引きつけて離さない不思議な魅力にあふれています。
毎年春の大寺薬師祭の4月3日と夏の8月14日に新盆の家々をめぐり踊られる念仏踊り。その舞台となる南須釜の東福寺境内には「寛延元辰九月吉日念仏供養結衆敬白」という念仏供養塔があり、当初は 15,6歳の男女によって踊られていたことが知られています。
明治の後半から昭和初期にかけて一時中断されていましたが、昭和27年(1952年)に途絶えていた踊りを大野ケサさんの記憶をもとに再興させました。
現在の念仏踊りの踊り子は7~12歳位までの少女で、約20名ほどで構成され、南須釜念仏踊保存会によって踊りの指導や管理運営が行われています。
少女たちの衣装は、もとは元禄の小袖だったのが春は振袖、夏は浴衣で裾からげに膝までたくしあげて、その下に鮮やかな赤い蹴出しと脚絆をのぞかせます。そして、たすきがけをして手甲、白足袋と草履をはき、花や切り紙で彩られた綺麗な妻折笠をかぶり、手には白扇子と綾竹をもち、踊りにあわせて使い分けます。
昭和50年5月30日福島県重要無形文化財に指定されました。