玉川村の民話で伝わる五平が掘ったとされる井戸があります。
民話「井戸掘り五平」『玉川村史』より
玉川村に今に伝わる民話によると、江戸の頃(一八〇〇年代)に大へんな日照り続きの年があった。
小高村に住む井戸掘り名人五平もいくつもの井戸を掘ったが水は出ず、さすがの名人も思うようにいかなかった。井戸掘りの道具もすっかりへってしまいもはやこれまでと井戸掘りを断念しかけた。その時、名主三郎兵衛の娘お露は、大事にしていたかんざしを金にかえて井戸掘り道具を買って五平に渡し、「どうか最後まで掘ってください」とはげました。五平は前にも増して一心に岩盤に矢を打ち込んだ。すると岩の割れ目からどっときれいな水が吹き出した。
白河城主松平公からは沢山のほうびや侍並の禄高までもらってお露とも夫婦になり大へん幸せに暮らしたという。池ノ入から湧きでる水は今でも人々に使われている。
この民話をイメージしたお酒"五平の酒"が「道の駅たまかわ」で販売されています。