江戸時代初期の建造物で、平成5年(1993年)~7年(1995年)にわたり、県重要文化財として修復工事が行われた本殿は、永くこの地を治めていた石川氏の氏神として広く信仰を集め、崇められてきた由緒ある古社です。
現在は、保存のため瑞垣(みずがき)で囲まれていますが、屋根を支える端正で見事な桁の彫刻などは、見るものを圧巻する美しさです。主材に頑丈な栗の木を使い、建築様式は太い木割りを用いた豪壮な江戸初期の造りで、寛文・享保などの改造を経て今日に至っていることが現存する6枚の棟札から伺え、「奉棟札正八幡宮武運長久祈慶長四巳亥十月」の棟札写しからみて、慶長年間(1596~1615年)の建立ではないかと推察されています。
また、内陣天井裏に南北朝期の貴重な古文書が秘蔵されていたり、源頼朝の大蛇退治を加護した伝説など、歴史浪漫を感じさせる話が残っています。